―この仕事をすることとなったきっかけは何ですか?
もともと私は学校卒業後、広島市内の自動車関連のアルミホイールの会社にいました。25歳のとき、造船会社が観光事業に乗り出すために別会社を立ち上げ、猫山スキー場を開設したのを機に、地元にUターンで帰ってきて、その会社に入社したのがきっかけです。
冬はスキー場、春からはゴルフ場やホテルの仕事を担当していました。入社2年目から、企業や学校の合宿も請け合いましょう、ということになって、コテージの夏営業をはじめたのです。そして、そこの専属担当になり、30才くらいの時、副支配人になり、さらに2・3年後に支配人になりました。ですから、この仕事に関わって今年で21年目になります。
―現在の株式会社BTM設立の経緯は?
前の会社が、観光事業として山も海も両方していて、さらにゴルフ場もあってと結構業務的に広くなって 非効率になったんです。もっと効率のいい経営を行う必要があり、平成25年8月に現地法人を作ろう、ということになりました。
「山口、お前やってみるか」と白羽の矢が立ち「私でよければ、頑張ります!」ということで、設立したのが株式会社BTMです。
―なるほど、それがBTMですね?
そうです。スタート時点では、BTMはスキー場を運営する会社でしたが、それだけで終わらせるつもりはなく、スキー場を核にもっともっと事業を大きく広げていきたいという思いがありました。翌年に『道後山高原荘』の指定管理をしてもらえないかと、庄原市から話がありました。当時、この道後山高原荘は担当していた運営会社が経営破綻してしまったんです。しかし、地域の宝ですから、誰かがやって残さにゃいけんという想いで、あえて火中の栗を拾う覚悟でチャレンジして3年が経ちました。
―そもそもBTMという会社名ですが・・・
「備北・トータル・マネジメント」の頭文字を取って BTMです。
BTMのテーマは『スポーツと健康』です。
この備北地域はいわゆる中山間地域で、どうしても人口は減って行く一方です。そうなってくると、色んな地域の問題が起きています。将来的には、その問題解決ができるような会社にしたい、という思いがあったもので、社名はやっぱり、備北地域をトータルで考えるような会社を、という想いが強いですね。
―今のこのお仕事に対して、どのような思いを持って経営してらっしゃるのですか?
私のおやじの世代が、スキー場を誘致して作ったわけです。地域からすると、30年もスキー場があって、雇用も生まれて、経済効果も生まれて・・・。ですから、それをこのまま衰退させるというわけにはいかないじゃないですか。その思いは強いですね。
それから、今いる社員の皆さん。やる気一杯の彼らの雇用を守らなければいけない。生活基盤ですから。
―社員さんたちに対しては、どんなような思いを持ってらっしゃいますか?
やっぱり、一人一人が自分の夢を実現して欲しいですね。
自分の生活する時間のほとんどすべてが仕事の時間じゃないですか。仕事って、ただ朝出勤して、夕方帰って、お金を稼ぐためにやるっていいうんじゃなくって、だからこそ充実した時間を過ごして欲しいんです。
社員の持っている、夢や希望と、会社の目標が、リンクできるような、そういう会社にしたいですよね。
そういう会社が理想ですよね。
社員さんから、「この会社で働いて良かった」って言ってもらえるのが一番いいですね。
―ところで社長、お休みの日は何をされてるんですか?
休日は、長男と「男旅」をしたりするのに、最近ははまっています。
ダム巡りで、ダムカードを集めて回ったり、ダムの勉強をしに行くんですよ。(笑)3・4か所くらい一遍に回るんです。あと、リュックサックを背負って、5キロとか、10キロくらいの距離を二人で歩いたり山登りもしましたね。
それ以外では、筋トレしたりジョギングしたり、。
― 筋トレにジョギングですか?
そうです。腹筋を割ってやろうと思ってやってますけど、なかなか割れないですね。(笑)ジョギングは、家族4人で行ったりしますね。レベルをちょっと上げて、近い将来にハーフマラソンとかに出たいですねー。
それから、猟銃の狩猟免許を取りに行こうと思っているんです。
―狩猟?
友達と、一緒に講習と試験を受けようと思っています。キジとか、イノシシとか、鹿とかね。ジビエ料理なんかで使ったらおもしろいかなと。この辺じゃ、いくらでもいますからね。(笑)
―ずいぶん活動的ですねー
そうでもないですよ。家で座禅をしたりもしています。マニュアルをみながら朝と夜15分くらい・・・もう3年くらいですかね。やったら、頭の中が整理される気がして、スッキリします。
それから読書ですね。テーマを決めて。
例えば、人の事で悩んだりしたら、組織論の本を2~3冊有名な奴を買ってきて読んだりとかですね。マーケティングに悩んだら、それ系統の本を買ってきて読んだり、そんな感じですね。他の社長さんとかに聞いたりしても、よくわからないじゃないですか。そこらへんは、勘でやってもちょっと怖いですから。
社長をやっていて何が一番大変ですか?って聞かれたら判断をするのが一番大変ですね。状況を見て、決断するのが。右か左か、どういう判断をするのか。そのためには、自分がしっかり勉強しておかないと、良い判断ができません。
「適当にやっておいて」というわけにはいきませんから。
―最後に、会社の今後のこれからについて教えてください。
色々やりたいことが沢山あります。セントラルキッチンを作って、ケータリングサービスや、個食配送とか。地域の、買い物難民のお年寄りのお役に立ちたいですね。
地域の過疎を救うということでは、あとは観光ですね。
『観光』ということで考えると、備北地域は宝の山なんですよ。道後山に、県民の森、比婆山、熊野神社でしょう。スキー場が3つあって・・・。実は、今年の5月から、私、西城町の観光協会の会長になりましてね。ですから、うちの会社だけじゃなくって、地域全体をもっともっと売り込んでいきたいです。
地域に貢献できるような企業体にして、田舎へ帰って来て、定住して、BTMで働きたいね、と言ってもらえるような会社にしていきたいですね。社員が、元気にいきいきと働けるような、自慢できる会社にしたいですね。一言で言うといい会社にしたいですね。